Summertime
George Gershwin / arr. Ryotaro Ishihara
テーマ演奏後、各奏者は本シートに収められた24のフレーズおよび6つのコードの中から、任意のタイミング、アーティキュレーション、テンポ、ダイナミクス、オクターブ(コードはテンション)で自由に選択し(ときに執拗に反復し、また沈黙するなどして)演奏する。フレーズは原曲から選ばれた6つの動機的断片を基本形・逆行形・反行形・逆行反行形の4形態で展開した24種を基層とし、さらにそのマルチトニック圏上の派生を含む72種の素材群から抜粋された。コードは原曲から抜粋した4つおよびそのマルチトニック圏上の2つ、計6つから構成され、フレーズと同一の生成原理のもとに置かれている。演奏後はテーマに回帰し終止する。
この作品はコード進行/小節としての「定数」と、その定数が設ける「窓」——奏者の判断と行動——によって規定されてきたジャズの「展開部」を、事前に確定された動機的素材の開かれた場として再設定することで、異なる「窓」の構築と、それに付随する〈様相〉の発見を試みている。